おわりに・・・

富士山

 

 痛みや病気は、様々な要因から引き起こされています。

 骨格のゆがみや筋肉の弱りの問題、内臓の問題や先天的な体質・遺伝、体の使い方に無理があったり、心の問題が関わっていたり・・・。

 ですので、薬を飲んだらすべて良くなりますよ、注射を打てば痛みが消えて、すべて元通りですよ・・・といった簡単なものでは、そもそもない訳です。

 痛みや病気を治していく上で、最も大切なことは、薬を飲むことでも、注射を打つことでもなく、「どうして今の状態に陥ったのか」ということについて自らが知り、気付いていくことだと思います。

 良い薬や良いサプリメント、良い健康食品などを口にしたとしても、病気や痛みが出てきた原因についてほったらかしである限り、一時的に痛みが治まったとしても、また痛くなったり、腰は楽になったけど肩が痛くなったとか、あっちが痛い・こっちが痛いとおっしゃり続けることになるからです。


 西洋医学には西洋医学の、東洋医学には東洋医学の良いところがあります。

 昔の方も今の人と同様、病気にならずに、苦しむことなく、生きていきたいと思われ、食事や健康法・治療法には、それこそ命を懸けて研究してこられたに違いありません。

 鍼灸や漢方・食養生、ヨガや太極拳、仏教の教えなど、古くから日本や東洋に伝わるものたちには、「ただの迷信」だけでは片付けられない、深い深い叡智が刻み込まれている、と私は思うのです。


 ・・・寒い地域では、寒さに適した食べ物や暮らしの知恵が、長い年月を経て、育まれてきました。

 暑い地域では、暑さに適した暮らし方が、日本という地域では、日本の風土に適した暮らし方が、1000年・2000年・3000年・・・という長い年月を経て、育まれてきたわけです。

 その生活の知恵や風習、伝統や文化といったものを捨て、アメリカやヨーロッパなどの、近代的な文化・文明にあこがれて、生活を変えれば変えるほど、世の中はおかしくなってきたように、私には思えてなりません。

 自然と調和をした生き方や暮らし方こそが、昔の日本の方々が大切にしてこられたものであり、忘れてはならなかったものだったのではないでしょうか?


 人間、どんなに進化を遂げたとしても、太陽や水、空気や植物・動物・・・といった、自然の恵みに生かされている生き物であり、生物の一部であることには変わりようがありません。

 自然のリズムや摂理に反するようなことばかりしていては、やっぱりあっちが辛い、こっちがおかしい・・・となってもおかしくはないと思うのです。


 ・・・TVや雑誌・インターネットを見て、すべてを分かった気になるのではなく、実際に体を使って体感していくこと、体の声を疎かにせず、自ら体や生活を整えていくこと、生き方・体の使い方を少しずつでも修正していくことこそが大切です。

 今をいかに、よりよく生きるか。

 痛みや病気は、これまでの生き方や考え方・体の使い方そのものを、見つめなおす良い時期に来ているよ、と体が教えてくれている、「シグナル」でもあり、「警告」でもあるはずだからです。