漢方薬について ②

水滴

 

 症状を抑えることの多い現代医学のお薬に対し、漢方薬はカゼの時でもわざと体を温め、発汗を促すような薬を処方することがあります。(麻黄湯(まおうとう)や桂枝湯(けいしとう)など・・・)

 またカゼの時でも、おなかの調子が優れない時でも、関節に痛みがある場合でも、鍼灸治療と同じように、舌を診たり、脈を診たり、おなかを触ってみたり・・・、その方の体で何が起きているのかを診察した上で「証」を立て、冷えやのぼせや、内臓の不調といった、根本的な体質・体調も改善していけるよう、薬を決定していきます。


 ・・・例えば、「坐骨神経痛」や「痛風」といった痛みや症状も、坐骨神経や足の親指そのものに問題があるわけではなく、日頃の無理やストレス・不摂生などが原因で、内臓や血液の循環に問題が起き、その影響で筋肉や骨格といったもののバランスも悪くなって、結果的に神経に痛みが出たり、足が腫れたりされている方も多いのです。

 ですから、もしお薬を飲むのであれば、痛み止めではなく、神経をブロックする注射でもなく、内臓の問題を改善できるようなものであったり、血液や体液の循環が改善されるような、もっと根本的な問題体質を改善させていく、漢方薬の助けを借りてみられると良いのではないでしょうか。


 部分的な痛みや症状にとらわれ過ぎるのではなく、体全体に何が起きていて、どうすれば根本的な問題が改善されていくのか、を重視している、鍼灸治療や漢方治療の考え方は、目からウロコのことも多く、本当にすごいと思っています。

 これらの治療の助けを上手に利用しながら、自分の体質を知り、改善出来るところは改善をし、大病を予防していく・・・といった考え方こそ、今の時代に今一度、見直されても良い考え方なのではないでしょうか。

 病気や痛みは、やっつけるものではなく、体を整えていくことにこそ、答えはあると思います。

 「温故知新」という言葉がありますように、今の時代にこそ、1000年~2000年と続いてきた、東洋医学の考え方が、もっともっと見直されても良いのではないかな、と思っております。


※上記の話は、何でもかんでも、現代医学のお薬は良くありません、漢方薬しか飲んではいけません・・・という話では、決してございません。

 お医者様の力も、頼るべき時はきちんと頼って、臨機応変に、こだわりを持ち過ぎずに対応されてみて下さい。