白雪姫プロジェクト

赤ちゃん

 

 病気や事故のために意識が無く、これまで回復の見込みが少ないと思われてきた、「植物状態」と呼ばれる方達が、世界に何十万人もいると言われています。

 その方達は、これまでベッドで長い間、寝たままの生活を送ってこられました。

 しかし、意識を取り戻し、食べる・思いを伝える・・・などの生活行動を取り戻すための方法がある、ということが最近分かって参りました。


 白雪姫プロジェクトは、回復の方法やそれにつながる意思伝達の方法、口から食事をとることの大切さや、リハビリの方法、介護の方法などの情報を集め、それを広く知っていただくためのプロジェクトです。

 このプロジェクトでは、「誰もが思いを持っていて、回復する可能性がある」ということが、当たり前になっていく世界を目指しています。

 白雪姫は王子様の愛によって、目覚めることができました。白雪姫プロジェクトは、そんな愛でいっぱいのプロジェクトなのです。

参考 ①

あかさたなスキャン

おばあさん

 

 意思伝達方法のひとつに、「あかさたなスキャン」というものがあります。

 「あかさたなスキャン」とは、まばたきをしたり、目を上下に動かしたり、とにかく自分の意思で動かせる筋肉がひとつでもあれば、コミュニケーションがとれるというものです。

 例えば、「Yes」の時は、まばたきを“ぎゅーっ”とつむって下さい、などと決め事を作っておけば、それだけで「Yes」or「No」の会話は成立します。


 さらに「好きな動物は何ですか?」と問いかけた上で、「あ・か・さ・た・な・・・」と五十音を読み上げていき、たとえば「な」のところでまばたきを“ぎゅーっ”とされたなら、次に「な・に・ぬ・ね・の」と、タテに読み上げていくのです。

 そこで、「ね」のところで再び“ぎゅーっ”とされたなら、「ね」と伝えたいのだな、ということが分かるわけです。

 こうして一文字一文字拾っていけば、「ね・こ」という答えを導き出すことも出来るのです。


 この「あかさたなスキャン」を使えば、「今日食べたいものは何ですか?」とか、「奥様に一言伝えたいことは何ですか?」といった会話も、まばたきひとつで可能になります。

 植物状態までにはならなくとも、人は皆、何かしら病気になって死んでいきます。死ぬときには、手も口も自由に動かせないかも分かりません。

 ですが、まばたきひとつ、自分の意思で動かすことができたなら、「今まで苦労をかけたね。ありがとね。」とか、「お前と一緒になれて良かったよ。」などと、話したいけど話せない、けどどうしても伝えて死んでいきたい、そんな一言を残していけるかも分かりません。


 是非このような「あかさたなスキャン」などの意思伝達方法が広まってくれたなら、と願います。

 皆様の身近な方に、このような状態の方がいらっしゃるなら、どこかひとつでも動かせる筋肉はないか、探してみていただけないでしょうか?

 よろしくお願い申し上げます!

参考 ②